監督: 阪本順治
出演: 真田広之、寺尾聰、中井貴一、佐藤浩市、勝地涼
原作: 福井晴敏
制作: 2005 日本
評価: ★★☆☆☆
全てに見えない1線が引かれていました。作品としてはこんな評価しかできません。しかし、私には問いかけられた物がたくさんありましたよ。
原作の「亡国のイージス」は汗顔でありますが上巻1/4で放ってあります^^;言い訳させていただけばこの本、難解というのではなく難読だったことによるもの。しかし、読みますよ。これ。そういう読んでない人の導入にと作ったわけではないのでしょうがやはり描ききれる話じゃなかったですね。完結できない映画でした。
見えない一線とは…非常にセンシティブな問題である自国防衛論を明確なメッセージに表せなかったという点でしょうか。それは福井氏の原作中(1/4だけしか読んでないけど推測出来る範囲で^^;)で首尾一貫語られてきた「専守防衛」という不条理を描くことはともすると極右に映るからなのか? いえいえ、私はこれでそういうイメージを受けませんでしたけどね、でも15人のテロリスト彼らの思いが何に起因するものなのか、ただの宮津副長への同情だけじゃ無いはずってところはちゃんと描いて欲しかったわけです。しかし、お隣韓国ではこの作品に出演したチェ・ミンソちゃんが自国のイベントを降板させられたという悲しい話も聞きました。うん。こんな中途半端にしか語るつもりが無くてもこの辺の配慮はしてあげれば良かったねと思います。さして重要な役柄には映画では設定されてなかったし日本人の役者さんで良かったんじゃないかなと。 あ…横道にそれましたが。
作中、霞ヶ関の一室で「平和って隙間にしか存在しないもの」というような台詞がありました。事なかれ主義の役所に持ってこられたような岸辺一徳さんの口によるフレーズでしたけど、これ、いかに防衛しようとも大きな流れには逆らえないのよといういかにも平和呆けの象徴みたいで大変怖い。一人一人が武器を手に用意をしようなんては思いませんが、根本的に平和は与えられるものだけにはしたくないねと思います。これはどんな時もちゃんと求めて自らの手でも掴めるところにあって欲しいと強く願うのであります。ああ…映画ブログで熱く語る変なヤツですね、私(笑)
さてさて、若き革命家達の情熱はへなちょこですが大事なものを持ってる父は強かったです^^ 「どんなに格好悪くても生きろ!」「考える前に考えるんだ」こういうことをあの状況で言えるだけのでっかさがあって本当に先任伍長の仙石っていいキャラクターに仕上がっています。うん、それを演じ切れたこの真田広之って素晴らしい役者さんだと思いました。そこで、いつもつい引き合いに出しちゃう佐藤浩市氏ですが、今回も憂鬱な役です(笑) いえ、けして嫌いなわけではなくなんだか目に付いちゃうんですね。いつも同じっぽいから。ただ、今回、亡くなった宮津防衛大学生のコラムを朗読するあたりはこの憂鬱さがなかなか良い味になってることをちゃんと評価しておきましょう。(相変わらず偉そう…笑) しかし、福井さんの作文だから当然といえば当然なのですけれどこの問題提示のコラムがまた良くできていたなぁと、はい感服いたしました^^
あ…ひとつ疑問。原作ではDAIS工作員の如月と宮津副艦長ってどういう関係になってます? 1/4でも如月の生いたちに宮津さん出てきていなかったような…。もし、これ、映画だけの設定だったとしたらはっきり言って失敗。嫌です。宮津さん亡き息子の復讐の気持も手伝い起こした革命でしょう?一方、如月が立て籠もったときにこっちの息子は売っちゃったわけですか? そして道連れにしたわけですか?それってとても悲しい。う~ん、ま、読んでみれば解ることですが、あの不可解な絵が送られてきた辻褄も合って欲しいと思っているんですけどね… こういう収まりってほんとうに気持ち悪いのね…
しかし、役者陣は角川と違って本当に松竹は豪華でしたね^^
追記:
TB先の記事を読ませていただきながらこの最後の疑問部分の一応の納得を見つけてみました。いや、まだまだ間違ってるかも知れません。どこにもこの真意は見つけられなかったので^^;まあ、原作通りに決着付けなくても良いわけなのでね。映画だから。そもそもレビューを書くにあたりあまり皆さんの意見に左右されないようにとほとんど先に読むことはないので^^;自己完結させるには少々時間がかかりましたね(笑)
さて、「父さんがいけないんだ」発言は如月の最後、宮津副官に自分の贖罪として懺悔した告白だったと取って良いのでしょうか? いや、あの場合はただの言い訳のようにも聞こえました。ただね…あの時宮津さん「そうだね父さんがみんな悪かったね」みたいな風に言った。これ、如月の話を受けて彼が安らいで死出の旅路にでれるように如月の父の代わりとなって罪を許したということで宜しいかしらね^^? まあ、観ている側にとっては「父さん」といわないで「オヤジさん」くらいにしてたら私のような短慮な考えを持つ人も少なかったかも知れませんが…うん、ここ「父さん」にしてくれてなんだか今からじんわりして来た感じです。いいじゃんv^^(以上、自己完結)
まあ、でも原作の決着もみようと思ってますけどね。





TBありがとうございました。
夏の公開時に見たきりで、もう内容が断片的にしか思い出せませんが、思い出せないような内容だったのかも知れません。
、と書くと非常にキツイ言い方ですが、私も原作は未読で人物のつながりがいまいち分からず、何のために出てきたか分からない役や意味ありげに挿入されるショットが、ますます私を物語に入り込ませるのを拒んでいるようで・・・。
この未完成感は、原作を買わせる為に日本中を陥れた戦略だったのかもと思いましたが、よく見たら出版元の講談社は製作に入なくて、昔の角川映画のように映画と原作の相乗効果という戦略ではなかったようです。
原作は面白いらしいんですがね。
ところで佐藤浩市は確かに同じような役が多いですね。もっと引き出しの多い役者だと思うのですが・・・。
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>ぽたますさま。
私は上巻1/4を読んでましたので(笑)登場人物は少しだけ解ったような解らなかったような…
福井氏は大変なベストセラー作家であらせられますがなんだか漫画チックな内容にしかどの作品も感じてこないのです。それにミステリーと言うよりは非現実的サスペンスか、はたまたファンタジーに思えます。宣伝やメディア展開もとても現代風と言えば格好が良いとも思えるんですが裏返せば、本一冊で完結しないということ。
そういうのなんだかダメなんですよね…
佐藤氏については愛情を持った偏見をしております(笑)キャラはいつも二枚目ですけどね、ここでは3枚目の位置で活躍していただきたいなぁと思ってます^^
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福井氏の作品はハード面からみると凄いなって思うんですけどね、何故か非現実の臭いがプンプンでいまいちのめり込めない部分があるんですね^^;もちろんミステリーなんてどれもが空想の物語なんですがそれでも現実的であったほうがリアルに恐ろしいわけです。この物語を現実に起こりそうだとイメージできる方は逆に平和呆けじゃないかとちょっと怖くなる気もするんですね^^;ああ…言い過ぎでしょうか?(笑)しかし…読んでますよv
あ…誤解なさらないで頂きたいのはSFというジャンルもあるのでね、そういう非現実的設定はこのジャンルに入れて宜しいのじゃないかと思うんです。この映画、特に会議室はもうSFのジャンルでしたね(笑)
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TBありがとうございました。レスが遅くなってしまって、すみません。
レビューを拝読いたしました。案外、酷評も多かったので、哀しかった記憶が…。(汗
自分は、原作の大ファンで、福井氏の著名な作品は、ほとんど読みました。映画の「イージス」は、これでよかったと思っています。勝地くんのことも、この映画で、注目できたし(爆)。
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やっぱり演技力のたまものなんでしょうね。
中井さんは浅田さんの「壬生義士伝」なんかではもう泣かせる人情いっぱいの演技をする一方、こっちでは冷徹な一重の物憂い犯罪者を演じきったりする。真田さんもそうね。「たそがれ清兵衛」の中なんて一本の映画の中で本当に素晴らしいくらいいくつもの人間味を演じていたと思います。それに比べて佐藤浩市氏…。ああ、いつも本当に引き合いに出すのが悪いようですけど、なんだか同じなんだなぁ(笑)
真田氏の国際進出映画「PROMISE」もうすぐですね。CFを観ましたけどCGはちょっとチョロいですよ^^;でもなんとなく「英雄」みたいな映画を期待できました^^楽しみですv
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不死身なんだもん。男たちの大和の中村獅堂も不死身だったけど、真田のがやっぱり強かった。JAC出身は強いな。中井貴一って、漢民族や朝鮮族やると凄い映える人だと思った。Heaven & Earthの遣唐使役は、日本人の役だったけど、もう中国人になってたし。ある意味、貴重な国際派の日本人俳優ですな。渡辺謙なんて、相手じゃないよね、中井君。
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>でんでんさま。
どの作品を映画化するのかを考えるとき登場人物の多さとかで難しいか難しくないかはプロなら瞬時に解るんじゃないかとも思うんですけどね。いろいろ絡みがあってこの作品と決まってる場合にでも新たな作品としてもっとタイトな構成にしても宜しいんじゃないかとも思います。でも、もう少し何とか出来ようがあったかなと^^;偉そうですが…(笑)
>ミチさま。
こちらこそ初めまして^^記事にも書きましたように上巻1/4で放っていましたけどこのDVDが未消化であったためまた読む気になってます^^なかなか上手な戦略に填ったのかも知れません(笑)ただね、映画って本と同じでなくても良いと思う。監督の作った世界で原作と違ったメッセージになろうとも筋が通っていれば面白いと思うんです。そう、お気に入りが映像化されて自分のイメージとかなり違うことも多いですよね。でも、面白ければそれで私は評価したいと思ってます^^はい。本当に偉そうですけど(笑)
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はじめまして。
原作が好きだったので、映画はやっぱり省略されている部分が多くてあまり満足できませんでした。
仙石が真田広之みたいなイイ男になっちゃうなんて~(笑)
福井さんの作品は昨年3作映画化されましたが、どれも本を読んで脳内映像化しているほうがよかったな~と思います。
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こんにちは。
トラックバックありがとうございます。
この作品を観ていて思ったのは、映画化の難しさでしょうか。
原作を読んでいない身として、あまり言えませんが、
それでも随分端折られているなぁと気づく箇所が多くありました。
テーマの難しさから来るところもあるかもしれないけど、
もう少し何とかして欲しかったです(^^ゞ
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