映画:「単騎、千里を走る。」

投稿者: Ceri 投稿日時: 日, 01/29/2006 - 14:19

tanki.jpg

監督: チャン・イーモウ
出演: 高倉健、チュー・リン、リー・ジャーミン、ヤン・ジェンボー、寺島しのぶ
日本編監督: 降旗康男
制作: 2005 中国/日本

評価: ★★★☆☆

よかったですねぇ^^ はい。これ好きです。昨日「オリバー・ツイスト」を観ていたのでなお良しだったかも知れません。そう考えると「オリバー・ツイスト」に★1つをあげていた価値がやっと見つかったようにも思えます(笑) うん、それでも★3つしか付かない訳は、日本編にもの足らなさを感じるからでありますが、でもね、中国部分に関しては私は4つあげたい気持になってます。まあ、なんら栄えある評価でもないのだからとっとと思いきって差し上げれば良いんですけどね、はい、ちょっといつもの事ながらここで少しその足らない部分とやらを語らせていただこうかなと思ってます^^(偉そうですよ、今日も…笑)

話は健さんが海を見つめて手紙を読んでるでるシーンから始まります。そこに被る健さんのモノローグ。う~ん、これ、要らない。語る文章も下手くそだったしね。日本編監督は「鉄道員」で健さんとご一緒だった降旗さんですが、今回こんなのを見せられちゃうと、あれが良かったのも浅田次郎さんによる原作のたまものでしかなかったように感じてしまいます。そう、ここだけじゃない、ことごとく日本編は詰まらないんです。寺島しのぶちゃんも大変実力のある女優さんなだけに、説明するだけのセンスのない台詞ばかりじゃ彼女の良さも活きてこない気がしましたね。確執のある父と息子の間に入って彼女がやることが中途半端な気がして無能さが際だってしまってます。だいたい、お父さんが中国に行ったなんて言ったら「貴方は余命幾ばくもないのよ」と言ったも同じようなもの。う~ん、でも結局これを言わないではこの話の大団円には繋がらないし…なんかもっと良い方法はなかったのかなぁ…と。ただ、この説明くささはイーモウ監督が自国中国の視聴者に日本というものを説明したかったからなのか… それにしても日本編をあと5分長くしてももう少し丁寧に描いて欲しかったところです。欲を言えば健さんを扱うのなら是非山田洋次監督あたりでお願いしたかったなぁと…はい、もう一回作っていただきたいくらいに切望しております^^

残される者が何かをせずにいられないという思いで、「息子のやり遂げれなかった仕事」というものを選択するあたり…とても父親ですね。これ、母だったらきっと違う。そして不器用な人が精一杯努力する姿はとても清々しかったです。はい。そう、健さんが中国に行ってからは台詞もド~ンと減って本当に良かったですよ^^。とにかくもう、空間のとらえ方が全く違うんですね。「LOVERS」や「英雄」などとも違ってどちらかというとチャン・ツィイーの「初恋のきた道」って感じでしょうか。中国側の登場する人々の地味さ具合もちょうどあの映画のようですから(笑)
ひょんな展開で健さんがある子供に会いに行くわけですが、この交通の便も悪いという田舎の村が乾いた空気の中なのに本当に温かくて良かったなぁと。景色も美しい。そこに居た母を亡くし会ったこともない父を持つ「ハナタレ小僧」がオリバーなんぞよりずっとずっと活きていましたよ。ほとんど孤児に近いようなこの子を心配して来た健さんを村は本当に温かくもてなしてくれます。何もおみやげを持ってきた訳じゃない、それでも気持に答えてくれるんですね。村長は「大丈夫この子は村が育てる」と言い、きっとその子の父が何年かして尋ねていった時には、小言くらいは言うだろうけど温かい場所を用意してくれるはずです。良いじゃないですか?人間ってこうですよ。あんなオリバー・ツイストの周りに居るようなネズミみたいな人々は人類じゃありませんよね。
でも、それはね、一つずつ丁寧に確認を取りながら礼節を尽くす健さんに対する人々の良心のシンパシーみたいなものにも思えてくる。これ、やっぱり、イーモウ監督の高倉健という役者さんに対するオマージュなんじゃないかと思いました。だってね、役名「タカダサン」はもう全く「タカクラサン」にしか見えないんです。はい、実際には健さんという方を存じ上げておりませんけど、きっとそうに違いない。だからね、刑務所のお偉いさんも通訳さんもみんなみんな健さんの思いを一緒に成し遂げようとしてくれます。ああ、私も一緒に成し遂げたくなってずずっとのめり込んでいくんですね(笑)
あと一つ蛇足になりますが、この村でお勉強した(私が)ことがあります。それは大人の決めたことに子供を有無を言わさず従がわせるという決まり。今の世の中、「子供の人権」を尊重するのは当たり前なのはよく解ってます。だけどね、根底に「その子のために」という大前提があればこの決定で良いような気がしますよ。小さな家族の単位でも「それが我が家のルールさ」と一言で子供の「どうして?」を封じ込めてかまわないんじゃないかなと我が家のやんちゃになりつつある息子に思いを馳せ感じてきましたね(笑)

さて、結果はネタバレになりますのであまり言いたくありませんが、言っちゃいますか^^。観ていない方はここから目を瞑ってくださいませ(笑)
結果、間に合わなかったわけですね。その時、皆さんも「え~っ」とがっかりだったはず。うん、まだ仲直りしてないじゃん?とサポーターは思うわけです。だけどね、終わってみてふとまた考えれば、きっとそんなこともう息子はちゃんと解って逝っただろうと思いました。健さんが迷った子供と一夜を過ごす夜に思った気持ちは病院のベッドにいる息子のもとに千里を走ってちゃんと届いていたと思ってます。いいよね、これで^^

そういうことで最初のシーンと同じ海で話は終わるわけですが、と、なればこの時読んでいた手紙は息子の今際に父に宛てたメッセージなんでしょう。そしてそれを読む父を天国から息子は見てるはず…と^^ 私なりの大団円ですね、これ。皆さんの解釈はいががです? …それにしても死にネタに私ってかなり弱いです^^;

だけど…死んじゃったの中井貴一だったのね^^;

追記:
さてさて、ほぼ鑑賞から一日たちまして早くもこの作品の解釈が変わってきました。 いやぁ、本当に天邪鬼は観た後までいろいろ考えるものなのか(笑) 事の起こりはこちらに記事に頂きましたコメントに端を発します。そもそもその前から頂いたコメントに私も少し書いておりましたけれど、なんだかどうも嫁は怪しかったのですよね。息子の言葉はどうして嫁の代筆なのか…このあたりどうも腑に落ちない。だいたいこの記事にも先述のごとくお父さんが中国に行ったと言うことを本当に旦那に話したものか。だってそれを言ったら「貴方はもうすぐ死ぬのよ」といったようなもの。う~ん…

これ、このコメントを頂きました天野氏のご意見と総合しこういう決着はいかがかと、どなたも、まあこれを見終わって感動も湧き湧きのところを申し訳ないとも思いましたが「遠慮無く…」の勝手独自のこのお話の隠れた正体をお披露目いたしますね^^えっと、ご覧になるつもりのない方はここでお戻りくださいませね^^;

『息子の健一は父を決して許さないということ。そしてそれを父も嫁も知っている。だから空しい猿芝居の物語であると仮定。父は息子との蟠りを事実10年も放って置いたわけで病気だと聞くまでは自分の行いに何ら疑問も持たずにいた。そういう父に対する嫁の心ばかりの父に対する怒りの報酬である。もちろん父もその気持ちを分かって甘んじてその罰を受けている。お互いに解って演じる父と嫁の仮面劇』

どうでしょう?(笑) こう考えるとわざわざ東京まで呼んでおきながらあの寂しい病院の廊下の話や、中国まで嫁が電話し手来た時、健一が父に軟化した態度を取ってると言った後、念を押すように「それは息子の言葉か?」と聞いた意味が出てくるような気がするんですけれど。
はい、こういったかなり歪曲した結論に達するまでの道程はこのコメントあたりを読んでいただくとなんとな~く解っていただけないでしょうか^^;? いや、蛇足というお言葉も聞こえるようですけれどね…(汗)

→天野氏コメント

→Ceri返信

はじめまして、
あまりに評価が高い作品、で小さくなっていましたが
天野弱気さんはじめ皆さんのコメント面白く拝見しました。

道路で和気藹々食事をしてた時かかってくるケータイ
あれ、ここって圏外じゃなかったぁ?だってさっき屋根の上まで登ってかけてたじゃん!
美しい町並みを撮るためだけのシークエンス?って思いました。

ケータイでひっかかっちゃってからからあちこちディテールにひっかかっちゃって
こうなると駄目ですよね~素直じゃない私…

大味なのがよいのかもしれませんが
先に観たNHKスペシャルがあまりによく出来ていて、
先に感動してしまったのもいけなかったかな。
TBさせてくださいね。

..by mimia (未認証ユーザ) ..木, 02/16/2006 - 11:45

ハイビジョンだからあまり一般的でないけど

3月7日(火)午後8時から約2時間
「高倉健 千里を走る」
が再放送されます。

わたしは後半をたまたまみたのですが、これが涙涙で、、ぐしょぐしょ体験でした。

地上波でも特集ありましたが
それとは違った迫り方で、
わたしは映画含め3部作?とすれば

このハイビジョンのやつが、じつは、好きです(^_-)

..by 金ベエ (未認証ユーザ) ..金, 03/03/2006 - 10:00

>tonton3さま

「オリバー・ツイスト」よりこちらのほうが正解だったと思いますよ^^はい、個人的意見ですが。
父と息子という男同士の関係にはどうしても母親が割り込めない部分があります。我が家のようなたった三人の奇数家族だと、そういう意味で淋しいこともあるんですよ(笑)しかし、子供が親を好きな姿って幸せだなって思うんですね。この映画ももっと早く修復できる何かが無かったのかなぁと思って観ていました。

これからもまた遊びに来てくださいませ^^
コメントありがとうございました。

..by Ceri ..月, 02/06/2006 - 13:58

トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。

..by tonton3 (未認証ユーザ) ..月, 02/06/2006 - 13:01

どうもorangeと言います。初コメントです。
観た後の余韻も含めて、色々考えさせてくれる映画も良いですよね。
ワタクシは素直に感動しながらも、ちょっとしたこの映画のぎこちなさも同時に受け止めてました。
高倉健って本当に不器用だけど実直な人なんだろう~な・・とか思いながら。
まごころをテーマにした映画だけど、高倉健さんがデジタル機器を使いこなすのは軽く違和感アリ。
ですね。
また遊びに来ます☆・

..by orange (未認証ユーザ) ..木, 02/02/2006 - 00:58

ごめんなさい。
いらっしゃいませ、orangeさま。

この、田舎の漁村のオジサンがデジタル機器を使いこなすあたりに皆さん疑問を抱いた方が多かったようですね。これはこの後ろに頂いた金ベエさんのコメントで謎が解けた様に感じましたが…
しかし、映画ではこのあたりのことは全く語られていませんでしたよね。しかし、映画だけが全てと考えたとき、「原作ではこうだけど…」というのはちょっと狡い^^;

まあ、日を経つにつれて少しバラバラと骨組みが崩れてきたような作品になってしまったかも知れません。観た後の気分は偏に「高倉健」のオーラだったのでしょうか(笑)

..by Ceri ..月, 02/06/2006 - 08:13

すいません。なんども。
小説版によると、健さん演じる高田さんは、
戦争で親兄弟は死んで、一人生き残った東工大出のエンジニア。
わけあって、(このワケがメインテーマなんだよね、、、)妻がガンでなくなった後、
学生時代の先輩の故郷・男鹿半島で、
漁師になった先輩の元、脱サラして漁師となっている

そんな設定みたいです。

ですので、息子はオヤジに反発、東大出の文系の研究者で
ガンで入院したのは東大病院。
主治医は友人なので、
「なんにも悪くないならいますぐ家にかえる」なんてわがままも言えるわけなんですね、、、

そんな背景が少しでも描写されると
健さんが突然、ビデオや単身で中国に行っちゃえることも
なんとなく、わかるように感じません?

..by 金ベエ (未認証ユーザ) ..木, 02/02/2006 - 01:34

>金ベエさま。

この映画、追記にも書きましたように裏読みまでして特別な結末を想像しております。観た後にもこういう風にいろいろ考えるのはとても楽しいかったので私には忘れられない映画となりました。
この日本編の降旗監督ですが、我々の結末を演出していただくには最高の監督だったのだと思います。記事では山田洋二氏にラブコールいたしておきながら今じゃもうこのようなことを言っているんですけどね(笑)
素敵なコメント本当にありがとうございました。
また是非遊びにいらしてくださいませ^^

..by Ceri ..水, 02/01/2006 - 21:15

Ceriさん中国編は4星との評価でした。
いっそ、日本編は、降旗バージョンとか、山田洋次バージョンとか、
井筒バージョンとか(すいません。「パッチギ」好きなのもで(^^;))

日本編の監督はセレクトできるなんていうのもおもしろいかも。

それとも、日本編は、いっそ健さんの朗読にしちゃうとか、、、

..by 金ベエ (未認証ユーザ) ..木, 02/02/2006 - 01:25

>金ベエさま。

観るほうが選択できるとすると監督というものがなんだか誰になってしまうのかちょっと解らなくなりませんか^^?
というのは、選んだ人間の責任になるというのもなんとなく「作品」というものじゃない気がするんですよね(笑)
私は自分と違う解釈であっても監督さんの気持ちを全面に押し出してきたものが好きです。

いやはや、金ベエさんのお話を聞いて初めて納得をしたことはたくさんありましたね。う~ん、こうなると描ききれなかったこの作品の評価を下げた方が妥当のような気もしますね(笑)
やはり、人間の気持を丁寧に表現するにはこの時間では足りなかったのかも知れません。そして中国という国を表すにもこれでは足りなかったのでしょう。目に残るものは美しい情景でそれに誤魔化された。そして、高倉健のオーラにみんな酔ってしまっただけなのかも知れません。
原作を読んで完結するというスタイルは私はちょっと納得できない部分もあるのでね。ただ、裏読みまで出来た楽しさはたくさんあります。観た人が独自で考えればいいよ、っていう監督のメッセージのある作品もあるのでそういうものと受け止めておきましょう^^その方が幸せが少しは多いかも知れません(笑)

山田監督が日本編と言わず全編作ったら如何なものかとだんだん思ってきましたわ^^。
私も「パッチギ」は単純に笑わせていただきました。その奥にあるものはどうしようにも出来ることでもないと思ったもので^^

..by Ceri ..月, 02/06/2006 - 08:30

おはつです。
わたしもこの映画、実に感動しました。
ですが、
正直言うと、NHK特集やNHKハイビジョンの番組の方が(ちょっといいすぎかな)インパクトありました。

それは、なんでだろうと思うと、
原作本というか、シナリオをもとに小説化した?
白川道『単騎、千里を走る』を読みました。

すると、日本編で、
なぜ、父と息子は不仲になったのか?
なぜ、父は漁師をしてるのか?
なぜ、父は孤独なのか?
という、映画には出てこなかった、母と父との愛情と愛憎が書かれていました。

このストリーの軸ともいえるものが映画ではいっさい省略されているので、
なぜ「仮面劇」にこだわったのか?
なぜ、関羽なのか?(劉備の妻と子を守る、、、)
も省略されていたんですね。

中国編を際だたせるために、日本編はあえて、ストリーを大胆に省略することで、
「印象」を深くしたともいえるかもしれません。(深読みか)
映画と小説と、今回はそれぞれに存在感がありました。

ただ、日本編、山田洋次ならどう撮ったか。
個人的にはすごい興味があります。

それと、もう一度この映画、2度目も映画館で見るとちがったあじわいができそうです。

いずれにしても、この作品は、たいへんgoodだとおもいます(^_-)

..by 金ベエ (未認証ユーザ) ..水, 02/01/2006 - 13:28

>駒吉さま。

いや、今、面白いRESが付いたところです。私も時間が立つにつれて嫁の言葉などに少々疑問をもったりしてきた所なんですね^^
すこし、もう一度この健さんを再構成してみようかなと思っているんですよ。とても健さんらしいのかフェイクの健さんなのか…

あの「スマステ:月1ゴローで1位」ってどういう意味なんでしょ^^;?

..by Ceri ..月, 01/30/2006 - 15:25

TBありがとうございます。
健さんがあまりにもすばらしいので、日本人ってこうなんだーって思われたら・・・
できる限り恥ずかしくない人間にならなきゃ、って思いました。

..by 駒吉 (未認証ユーザ) ..月, 01/30/2006 - 15:11

>チェルスキーおおむらさま。

いや、「初恋のきた道」とは中国俳優の地味さ具合が似てるってだけで…話は似ていませんですよ(笑)

いや、ちょっと面白い感じにRESが付きまして私自身としてもこの映画の再構成をしてみたいなって思ってるんです^^
いや、健さんをイーモウ監督は使い損ねたかの検証ですね^^

..by Ceri ..月, 01/30/2006 - 15:07

ですね。 土曜の夜に我がシネコンとしては破格の大人数の観客30人強と一緒に観たわけですが、観終わった直後は、「くそお、チャン・イーモウは、いいもう」なんて思ったわけですが、小生中国に住んでいたこともあったりするので、多分に個人的な或いはIsolatedな感慨が膨らんで、人様に開陳できるようなコメントは書けないような気がしたんですね。しかし、セリのコメントを読んで、揚げ足取りたくなりました。言っておきますが、高倉健は大好きな役者さんです。芝居が上手いのかどうかは良く分かりません。でも、いるだけで絵になる人ですよね。正に、役者さんですね。仲代、山崎、高倉、真田、伊武、唐沢・・・・この辺が小生のお気に入りです。その健さんにですよ?ちょっと、舌打ちなんてさせないで欲しいですね、チャン監督。それからね、健さんというか、高田さん、あなた無礼すぎますよ。バスの中から、「すみません、村長さん呼んでくれますか?」と呼びつける。村長が子供に説教しているところを、さえぎってまた呼びつける。はっきり言って、これはありえません。あれだけで、アウトです。まして、雲南の山岳部ですからね。ああいう行動を高田に取らせたチャン監督の真意が計り知れませんね。ほんとに、無礼な言動が多かったんですよ、高田。いくら、必死だと言ってもですね、あれではだめです。通じません。さらに、高田は大変な暴挙に出ましたね。「大人のいうこと、親の言うことは絶対である」という絶対的なプリンシプルに、同じ大人である高田が「歯向かった」んですから。どうかと思いましたね。それも、村人の面前で、結局は村長に恥をかかせたことになりましたよね。あれは、ありえないです。準備万端整えて待っていた刑務所の警官に「いや、ビデオを撮りに来たわけではないですから」と演技を断るのも、全く傲慢至極の暴挙でしたね。あれも、警官を囚人の前で大恥かかせてる訳ですからね。現実世界だったら、高田はあそこで終身刑に服役してると思います。小生が、感心したのは、チャン監督が「道理を重んじる」ということを村長をして言わせたことでしょう。あれは、上手い出し方だったと思います。電波を求めて民家の屋根に登る。ぞろぞろと、共産党員に先導されて皆でぞろぞろと歩く。あれは、最高の演出です。そう、今も共産党はしつこくいるんです。あんな辺鄙なところでも。そして、当然あの女性の共産党員から司法省はすっ飛ばして、刑務所の警官に話が行った。そのおかげで高田は刑務所に入れたと観るのが妥当でしょう。残念ながら、外事弁公室の皮ジャケットを着た何とか主任の働きは実際大したことはなかったのだと思われます。しかし、あの主任、小生には馬鹿受けでした。非常にリアルなんです。参りました。待っているところに「待たせてすまない」と言って入ってくるところから、もう素晴らしい。正に、全くあの通りですから。着ているもの、話し方・・・全てがリアルで息を飲みました。色々とりとめないことを書きましたが、要は小生もこの映画の評価には悩んでいるわけです。そこらの普通の封切り映画とは比較にならない秀作だと思います。チャンに学んで欲しいと思いますしね、日本の監督の皆さんに。でも、チャンは高倉健に心酔しているが故に、彼を使い切っていない。そして、とどのつまり映画はエンターテインメントだということを少し忘れたのではないか、もう少し面白い筋書きにしてくれても良かったな、という感じが残り、「俺なら、エンディングはこうする」「あれは、変だ」と次々粗を思いついてしまうのです。そう、悪いけど、市とは言え、あそこで携帯電話が繋がるのはどうみてもおかしい。大体、高倉健が携帯電話で国際電話したり、ビデオを撮ったり、、デジカメを捕ったり、おまけにデジカメをテレビモニターに繋げてスライドショーを見せるなんて荒業できるのがおかしいです。大体、コネクターが違うんですから。電圧もプラグもミニピンも皆違うんですよ?

..by 天野弱気 ..月, 01/30/2006 - 14:51

>天野弱気さま。

う~ん^^恐れ入ります。揚げ足とても嬉しく拝見いたしました。
さて、言い訳になるかも知れませんが、わたくしも24時間を要してすこし意地悪な見方に動きつつあります。まあ、これもいつも登場しますマスターなる方とのやり取りから引き出していただいた考えなんですけれどね(笑)
そう、私はこれ、イーモウ監督の高倉健へのオマージュと書きました。うん、でもやっぱり高倉健だとしたら彼を見損なってる気がしますね、非常に。
息子になんとか成果を見せたいという気持から生まれる行動をこの不器用な男にさせたとき、彼は果たしてここまでのごり押しをする男なのか…。それだったら、10年もの確執はあの病院で解決させていたのではないかとも思えてきます。そして、天野氏が指摘なさったあの村での決定もそうですよね。あのヤンヤンの拒否を「まだ父親に会う準備が出来ていない」というこれは勝手な判断をさせたわけです。あの時村長の言うようにあの子を連れて行って直接の解決を見た方がヤンヤンは幸せになったかも知れません。彼はそのそこのところを人ごとのように片付けたのじゃないでしょうか。自分の息子との問題があるにもかかわらずにね。
いや…どんどん考えると人間「健さん」だったらやっぱり違うんだろうなと思うのです。これはやっぱり孤独な漁師の物語でしょうね。

さて、私の気になる点はもう一点。
この嫁の代筆の手紙です。これ、本当に息子の言葉なのかなと言う疑問があります。とても大事な言葉だったでしょう?これ。だからイーモウ監督はもちろん息子の言葉にしたかったのだとは思うんですがでも、代筆は不自然だよね。もし、自分が回復するだろうと思ってるならば、元気になってから自分で書くでしょうし、もし命の限りを知ってる人なら、誰にも悟られないように自分でそっと書くと思うんです、だって、遺書ですから。
そのへん、細かく見つけるとたくさん疑問が湧いてくる。う~ん^^;天の邪鬼は映画を見た後も本当に大変ですよね^^お互い様ですけど^^

..by Ceri ..月, 01/30/2006 - 15:51

TBありがとうございます。

個人的には「初恋のきた道」的チャン・イーモウ作品と聞いてうれしい限りです(苦笑)。
じっくりと人間の営みを描くのが彼のすばらしさのひとつだから。

..by チェルスキーおおむら (未認証ユーザ) ..月, 01/30/2006 - 09:44
..

TBありがとうございました。
気になったところはいくらかありましたが、全体的には良作に仕上がっていたと思います。
私もじわっときちゃいました・・・。

ところで『オリバー・ツイスト』そんなに酷いんですか?(笑)
観ようと思っていたのにネットで見る限りなかなか評判がよろしくないようで迷っています。

..by orangeflower (未認証ユーザ) ..日, 01/29/2006 - 23:03

>orangeflowerさま。

いやぁ、中国だけでしたら私は4つ★を差し上げてました。偉そうですけどね(笑)
ヤンヤンの写真を見て涙する収監されてる人々は明日からなお一生精進するのでしょう^^

さて、「オリバー」ですが…う~ん。どこが良いんでしょうこの映画(笑)
オリバー少年も全く活きてないですよ。はい、DVDまでお持ちになっても、またTV放映まで待っても、更にはご覧にならなくても全然OKですね^^

..by Ceri ..日, 01/29/2006 - 23:42
..
TBありがとうございました。

> 息子のもとに千里を走ってちゃんと届いていた
↑↑
私も絶対そうだと思います。この作品では、コミュニケーションの意味を改めて考えさせられました。言葉が通じないとコミュニケーションできないこと(ルールや手順の説明など)と、言葉が通じなくても心で理解しあえること、そして遠く離れていてもお互いを思いやる心が時空を超えて通じ合うこと。
感激!とまでは言えませんが、じみじみと心に沁みる良い作品だったと思います。

日本篇は、確かに物足りなかったですね。私も冒頭の健さんのモノローグに一瞬引いてしまいました。

..by HIROMIC WORLD (未認証ユーザ) ..日, 01/29/2006 - 20:47

>HIROMIC WORLDさま。

そうでした。とてもシンプルなことが出来ないし気が付かないことだったんですね。でも、言葉の通じない様々な人を感動で突き動かす人「タカダサン」がいったい息子とどれほどの大きな蟠りを抱えていたのかはいまいちよく解りませんでしたね。お母さんの亡くなった時からと言うことでしたけど、まあ、これもヤンヤンが父との面会の準備出来ていないというあたりとかかってくるのかも知れません。
得てして親の心子知らずというということかなぁと…はい。

..by Ceri ..日, 01/29/2006 - 23:36
.. 千里

なるほど、健さんの思いは海を越えて伝わったのですね!
タイトルの意味がここにも生かされているなんて、
この映画はかなり奥が深そうです・・・

..by kossy (未認証ユーザ) ..日, 01/29/2006 - 17:01

> kossyさま、コメントありがとうございます。

このあたり、かなりのこじつけかも知れません(笑)自分なりの気持ちよい決着ですね、これ。
しかし、イーモウ監督が何十回も例え健さんであろうとも撮り直しして追求するのに対して、降旗監督はワンテイクでOKだったとは…驚きでした。
日本編はもう脚本からしてなんだか3流で中国編の本気と日本編のいい加減さに大きなギャップを感じた方はたくさんいらしたのじゃないかと思いますねぇ。

..by Ceri ..日, 01/29/2006 - 23:29

こんにちは♪
最後の手紙にはやられてしまいました。
あれが中井貴一だったとはね~(笑)
健さんはあくまでも健さんで、存在感を見せ付けられました。

..by ミチ (未認証ユーザ) ..日, 01/29/2006 - 16:52

>ミチさま

あの手紙、穿った見方で全部奥さんの寺島しのぶの創作だとしたら?とか、はい、ひねくれ者ですので考えてみたんです。そう、お父さんが中国に行った事を話したことも、それに対して息子が軟化したことも全部しのぶちゃんの創作だとしたらと…
まあ、手紙は代筆ですしありえないことではないですよね。そう考えながら、ああきっと健さんは決してそうは思わないだろうから、真実より結果が全てととらえないと面白くないんだなぁと、はい、自分の天の邪鬼が恥ずかしくなりました(笑)
しかし…未だ、ありえない話じゃないと思ってる自分もおります^^;

..by Ceri ..日, 01/29/2006 - 23:16

日本編は全てが寺島しのぶのキャラを中途半端にしてるところに残念な部分があるような気がします。彼女は優しいのか?いいえ彼女は気が効かないダメな嫁になってしまってますよね。きっとチャン監督はこんな嫁にしたくなかったはず。もし私が間にはいるならあんな病院の廊下のようなことはしません。だから、とても日本の部分は中国と比べるとかなり異質に感じましたね。撮り直しして欲しいほどです(笑)

..by Ceri ..日, 01/29/2006 - 16:30

こんにちは。

日本篇は完全に邦画になってました。むしろ中国篇との差が気になって、画作りが違うんですもの。説明的なセリフは全編ありましたが、日本篇の部分は余計な面もありました。でも俳優高倉健を観るには格好の作品だったと思います。やっぱカッコいいっす(^^ゞ

..by でんでん (未認証ユーザ) ..日, 01/29/2006 - 15:24